11月1日(土曜日)に、「龍ケ崎市総合防災訓練2025 IN 馴柴地区」を実施しました。
今回の総合防災訓練は水害想定とし、市の災害対応力強化を目的に市と、洪水ハザード内の地区として地区防災計画を策定している馴柴地区の災害時における防災活動等の実効性を図るため、訓練を通して計画通りに実行できるかどうかを確認し、課題が浮き彫りになれば、修正・改善を行うなど地区の防災力を向上させていく訓練を行いました。
日時
令和7年11月1日(土曜日) 午後1時から4時30分まで
会場
- 市役所附属棟1階会議室(龍ケ崎市3710)
- 龍ケ崎市立松葉小学校(龍ケ崎市松葉2丁目9番地)
- 龍ケ崎市松葉コミュニティセンター(龍ケ崎市松葉5丁目1番地)
- 小貝川堤防(現地災害対策本部…高須橋周辺、消防団巡視…文巻橋~豊田堰)
参加者・団体
- 龍ケ崎市
- 龍ケ崎市消防団本部・消防団(第8分団第1部~第4部、第9分団、第10分団)
- 馴柴地区住民
- 馴柴まちづくり協議会・馴柴地区自主防災会
- 馴柴地区自主防災組織の長
- 馴柴地区防災士
- 松葉小学校区自主防災連絡会
- 松葉・長山地区防災士
- 松葉小学校
参加協力機関(順不同)
- 稲敷広域消防本部龍ケ崎消防署・西部出張所
- 茨城県竜ケ崎警察署
- 国土交通省関東地方整備局利根川下流河川事務所
- 国土交通省関東地方整備局利根川下流河川事務所竜ヶ崎出張所
- 国土交通省関東地方整備局下館河川事務所
- 茨城県竜ケ崎工事事務所
- 東京電力パワーグリッド株式会社竜ケ崎支社
- 龍ケ崎市社会福祉協議会
- 陸上自衛隊武器学校
- 株式会社ハレックス
- 龍ケ崎市建設業組合
- 龍ケ崎市医師会
- セッツカートン株式会社つくば工場
- 動物支援ナース
- アークランズ株式会社(ビバホーム竜ヶ崎店)
- 株式会社カインズ(カインズ龍ケ崎店)
- 大和ハウス工業株式会社
- 株式会社ニップン竜ヶ崎工場
訓練シナリオ
大型で猛烈な台風第19号(仮)が龍ケ崎市に接近する中、台風の影響に伴う活発した前線が龍ケ崎市上空に停滞し、発達した雨雲による大雨を降らせた。市内は低い土地の浸水が至るところで発生し始め、水戸地方気象台からは大雨注意報(浸水害)、大雨注意報(土砂災害)が順に発表され、大雨警報(浸水・洪水・土砂災害)の発表が確実化される状況下において、市は災害対策本部を設置し、第1回災害対策本部会議を開催。会議において、降り続く大雨による土砂災害警戒区域の崖崩れの危険性を懸念し、土砂災害警戒区域に警戒レベル3「高齢者等避難」の避難発令を発令し、「龍ケ崎コミュニティセンター」、「長戸コミュニティセンター」、「城ノ内コミュニティセンター」及び「馴馬財産区会館」に指定避難所を開設することを決定。
次いで、水戸地方気象台より土砂災害警戒情報が発表され、すみやかに土砂災害警戒区域の全住民を対象に警戒レベル4「避難指示」を発令。開設している4つの避難所への避難を促した。その後、台風本体が龍ケ崎市を直撃し、暴風による電柱倒壊や大規模停電の被害にあう。
台風の通過に伴い、各種警報が解除され、天候が回復したところであるが、市内では低い土地の浸水被害が各地で見受けられる中、小貝川や牛久沼をはじめとする中小河川の水位上昇の危険性が高まる。水位上昇に応じた避難発令を馴柴地区住民に発令し、指定避難所を「松葉小学校体育館」に開設。
馴柴地区の住民は警戒レベル3「高齢者等避難」及び警戒レベル4「避難指示」の避難発令に応じて「松葉小学校体育館」へ避難。
以降、すべての災害対応の対処として、市災害対策本部を中心に馴柴地区住民、消防、消防団、警察、ライフライン機関等との連携により一致協力して災害対応を展開していく。
防災訓練の内容
市災害対策本部設置・情報伝達訓練(午後1時から午後2時まで)
台風に伴う大雨による土砂災害や中小河川の氾濫、小貝川や利根川の大規模河川の水位上昇に伴う洪水のリスクに備え、市は災害対策本部を設置し、状況に応じた災害対応を展開。
午後1時に小貝川の水位上昇に伴い、警戒レベル4「避難指示」の基準判断水位に達するおそれがあると想定し、現在及び今後の気象状況をもとに対応策を話し合う「災害対策本部会議」を開催し、副本部長(副市長)を初め、市の本部職員や防災関係機関が集まり、情報の共有を行いました。情報共有の中では、市が気象防災アドバイザーとして委託している「株式会社ハレックス」の気象予報士による気象解説を受け、避難所開設及び避難発令を行うなど実際の状況に見立てたシナリオ展開を実施。
会議終了後には、訓練シナリオに沿って災害対応マニュアルに基づく各班の初動対応を展開しました。
災害対策本部会議
災害対策本部内の様子
気象予報士による気象解説
避難訓練(午後1時15分から午後2時まで)
小貝川の水位上昇に伴い、浸水想定区域である馴柴地区住民に対し、防災行政無線により警戒レベル4「避難指示」の避難発令を実施。その合図により、避難所として開設された「松葉小学校」へ自家用車等での避難訓練を実施しました。
また、馴柴地区内で一人で避難することが困難である要支援者からの連絡により、市要支援者対策班をリフト車で自宅に向わせ、同時に開設している福祉避難所である「松葉コミュニティセンター」への移送も実施。
別では、水害時に避難場所の提供を行っていただくための災害協定を締結しているビバホーム竜ヶ崎店において、屋上駐車場の一画をご提供いただき、近隣の馴柴地区住民が避難する訓練も実施しました。
避難所生活体験訓練(午後2時10分から午後3時45分まで)
馴柴地区住民の避難者を受け入れるために避難所を松葉小学校に開設。その受け入れのために松葉地区自主防災会の役員および松葉・長山地区の防災士が受付対応や体育館内での誘導・設営補助など受援対応のためにご協力をいただきました。
体育館内では、事前に区画割りを行った避難スペースに番号で割当てられた避難者が順にスペースへ移動。避難者は市から提供される毛布やパーテーションテント、段ボールベッドなどを受け取り、自分の避難スペース内に設置しました。毛布は避難者全員分の配付を行えましたが、パーテーションテントや段ボールベッドについては備蓄に限りがあるため、必要な方(要配慮者(高齢者、体の不自由な方、妊産婦の方など))に優先的に配付するなど、実情に合わせた状況を設定して実施しました。
その後は、市が備蓄している非常食を配付しその場で食べてもらったり、館内を消灯、カーテンを閉めて会場内を暗くし、就寝体験も行いました。
一つひとつの訓練時間は短縮バージョンでしたが、避難所生活がどのようなものか、また、市で備蓄している物を知ってもらうことで、自身の持出品はどのようなモノが良いかなど避難者目線で考えてもらう機会としました。
避難所受付
段ボールベッドの体験
パーテーションテントの展開
備蓄食の配給
避難所資機材配置後の様子
現地災害対応訓練(午後1時から午後3時45分まで)
台風接近に伴う大雨の影響により、小貝川の水位が上昇したことに伴い、小貝川の堤防に龍ケ崎市消防団本部による「現地対策本部」を設置。エリアを管轄する第三方面隊(第8分団第1部から第4部、第9分団及び第10分団)の消防団員を堤防沿いに配置し、水位監視や堤防の亀裂、漏水箇所の点検を実施。
一方、龍ケ崎消防署は目視で確認ができない箇所の点検として、ドローンを飛行させ小貝川上空から河川の状況を監視。その様子を現地対策本部に設置したモニターで映像を見ながら、各関係者へ情報の連携を行いました。
その後、小貝川の越水の危険性が高まったことを想定し、越水場所を松葉小学校グラウンドに設定。龍ケ崎市消防団及び龍ケ崎消防署の方々に土のうを積んで堤防を補強するための工法として「積み土のう訓練」や市で所有している水防資機材である「止水板」「水のう」の展示訓練を行いました。
小貝川堤防巡視開始(消防団員)
ドローンによる河川上空から巡視(消防署)
ドローン撮影状況を確認
土のう作成の様子
積み土のう工法作業
止水板の展示
各種防災資機材展開等訓練(午後2時から午後3時45分まで)
災害時に市や防災関係機関が供給することとなる防災資機材を展開したり、降雨体験車による大雨の状況を体感してもらったり、火災時を体感する煙体験や水消火器体験についてご参加いただいた方に体験してもらいました。
防災資機材展開等訓練一覧
- 災害時トイレ訓練(トイレトラック)(市)
- 避難所における入浴場展示(水循環型シャワーテントセット)(市)
- ペットの避難スペース展示訓練(動物支援ナース)
- 陸上自衛隊救助資機材等展示訓練(陸上自衛隊武器学校)
- 水防資機材等展示訓練(市・消防団・消防署)
- 消防・警察車両展示(消防団・消防署・警察署)
トイレトラック
水循環型シャワーテントセット
ペットとの同行避難ブース
陸上自衛隊資機材展示
煙体験
緊急車両展示
高度救助隊救助訓練(午後3時50分から午後4時15分)
最後に、龍ケ崎消防署「高度救助隊」による洪水の中、車両に取り残された方を救出する様子を展示。
今回の救出方法は、建物屋上と地上に停車している消防車両にロープを張り、屋上から救助隊員が下りてきて、車両荷台に避難している要救助者を救出するという想定のもと実施。
屋上から浸水区域を超えた先の陸地に停車している消防車両にロープを括り付けるために、ピストルでロープを飛ばす場面は初めて見学したので、様々なケースに対応するための手段があることを知ることが出来ました。
日頃から訓練を行っている隊員とあっても屋上からロープで降りてくる様子などは緊迫感のある状況であり、手に汗握る救出劇が繰り広げられました。
屋上から要救助者の確認
屋上と地上をロープで連結準備
滑車で要救助者の元へ
要救助者を安全な場所まで移動
要救助者を陸地へ移送完了
高度救助隊員の面々
閉会式の様子
閉会式
萩原市長や柏崎危機管理監、また、今回の訓練の共催でもある馴柴まちづくり協議会・馴柴地区自主防災会長それぞれから講評をいただき、訓練を締めくくりました。
馴柴地区自主防災会長からは、水害の際には今回のように高い場所にある避難所へ避難することとなり、避難先の地区の協力なしには成り立たないため、平時における顔の見える関係として、今回の訓練が実施できたことに関して感謝を述べられていました。
水害時の避難所ってどこ?
答えは、「防災の手引き」で確認できます!
水害時の洪水ハザード内にお住いの方々が避難する避難所は、各地区ごとに指定されています。その答えが「防災の手引き」に載っていますので、その場所や避難経路も合わせて把握しておきましょう。
また、水害時はライフライン(電気・上下水道・ガス)が通常稼働している場合が考えられるため、高い場所にある店舗や住宅などは特に影響を受けず、平常時と変わらない状況であると考えられます。そのため、避難場所については市の指定避難所の他に安全な親せきや友人・知人のお宅、安全なホテルや旅館などへ避難することも可能です。日頃からご自身やご家族など、もしもの時のために、話し合いをしておきましょう。
●防災の手引き![]()
水害時の避難所
- 馴柴地区・・・長山小学校、長山中学校、松葉小学校、久保台小学校、中根台中学校、愛国学園大学附属龍ケ崎高等学校、流通経済大学
- 川原代地区・・・馴馬台小学校、龍ケ崎中学校、市民活動センター
- 北文間地区・・・竜ヶ崎南高等学校
- 大宮地区・・・城ノ内小学校、八原小学校、城ノ内中学校
- 龍ケ崎地区・・・ニューライフアリーナ(たつのこアリーナ)、龍ケ崎小学校、竜ヶ崎第一高等学校、竜ヶ崎第二高等学校、大昭ホール龍ケ崎(龍ケ崎市文化会館)
- 長戸・八原地区・・・長戸コミュニティセンター(旧長戸小学校)
ペットとの避難も考えましょう!
最近はペットを飼われてるお宅も増えています。ペットも家族ですから、「ペットとの同行避難」についても考えておきましょう。
●ペットの防災![]()
備蓄品について
もしもの時の、持出品や備蓄品の準備はできていますか?
避難所には、約250人の人が3日間過ごすことを想定した飲料水・食料・毛布などの生活物資と、防災コンテナに避難所を運営するための関連資機材、そして被災者を救出する時に必要と思われる工具などが備蓄してあります。
市では必要最低限の備蓄のため、避難所での生活をより過ごしやすくするために、ご自身でどのようなモノを備えればよいか考えて備えておきましょう。
その中で、「非常用備蓄」というと普段使わないモノを用意する「特別な準備」というイメージがあるかもしれません。
「日常時」と「非常時」、どちらの場面でも便利に使えるモノやサービスを取り入れることで普段の生活が同時に災害への備えになる「フェーズフリー」という考えを持っていただけると無理なく防災への備えに繋がります。
●準備していますか?日ごろから災害への備えが大切です![]()
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