劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは
「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」は、レンサ球菌による感染症です。
レンサ球菌は感染しても無症状なことが多く、症状がでてもほとんどは咽頭炎(のどの炎症)や皮膚の感染症にとどまります。
しかし、まれに通常は細菌が存在しない組織(血液、筋肉、肺など)にレンサ球菌が侵入し、急激に症状が進行する重篤な疾患となることがあり、「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」と呼ばれています。
小児が多く感染するA群溶血性レンサ球菌感染症(溶連菌感染症)とは区別されています。
溶連菌感染症の流行とともに、劇症型溶血性レンサ球菌感染症の感染者数も全国的に増加傾向にあり、注意が必要です。
原因と感染経路
実際の感染経路は明らかになっていない部分が多いですが、傷口や粘膜から、通常は細菌の存在しない筋肉、脂肪組織や血液にレンサ球菌が侵入することによって発症すると言われています。
症状
最初に手足の強い痛みが見られることが多く、続いて発熱や悪寒、筋肉痛などのインフルエンザに似た症状が現れます。
また、めまいや錯乱状態を伴うことがあります。
発症から症状の進行が非常に急激かつ劇的で、筋肉周辺組織の壊死を起こしたり、血圧低下や多臓器不全からショック状態に陥り、発症後数十時間で死に至る場合もあります。
疑わしい症状が現れた場合には、直ちに医療機関を受診しましょう。
予防のポイント
手洗いや咳エチケットなどの基本的な感染対策を行うことが重要です。
また、手足等の傷口から感染する場合があるため、傷口等を清潔に保つことも大切です。