専決処分を行った経緯
本市における官製談合防止法違反事件を受けて、市長として1日も早く市政の混乱を収束させるとともに、職員のコンプライアンス向上、外部からの不正な働きかけに対して、組織として適正に対応できる体制の整備などを推進する必要があると判断し、その中心的な役割を担う「行政監察監」を令和3年7月に新たに設置しました。
行政監察監を特定任期付職員として任用するにあたり、給料など人件費の予算措置が必要となったことから、令和3年度龍ケ崎市一般会計補正予算(第7号)について、地方自治法第179条第1項に規定する専決処分の要件のうち、「特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき」を適用し、去る令和3年7月9日に専決処分を行いました。
専決処分後の議会報告
専決処分については、地方自治法第179条第3項の規定により、市長は「次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。」とされており、これに基づき、令和3年第3回龍ケ崎市議会(9月)定例会に報告を行いましたが、「本件については緊急性が認められず、議会の招集等が可能だった。」などとして、議会全会一致で不承認となりました。
専決処分の不承認に伴う措置
地方自治法第179条第4項の規定により、「予算に関する処置について承認を求める議案が否決されたときは、普通地方公共団体の長は、速やかに、当該処置に関して必要と認める措置を講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければならない。」とされています。
「必要と認める措置」として、専決処分を行った予算を減額する補正予算の提案などが考えられますが、新たな体制づくりなどには、行政監察監の力が必要不可欠であり、引き続き業務を遂行させることが最善の策であると判断しました。
そこで、市民の皆様に対する説明責任を果たすという観点から、前記のとおり専決処分を行った経緯及び専決処分が不承認となったことについて、市公式ホームページ及び広報紙を通じて市民の皆様に報告させていただきます。
今後の市政運営
今回の専決処分の不承認については、市長として大変重く受け止めております。
特に、行政監察監を設置しなければならない事情及びその緊急性など、専決処分の背景について、議会への説明が不足していたものと認識しております。
今後は、専決処分を行う際には、これまでと同様に法令を遵守し、適正な事務執行に努めることはもちろんのこと、議会に対する事前説明等の充実を図ることなどにより、十分ご理解をいただけるよう、ひいては市民の皆様のご理解をいただけるよう鋭意努力してまいります。
用語解説と条文の抜粋
専決処分
本来議会において議決、決定する事件について、特定の場合に地方公共団体の長が議会に代わって当該事件を処分すること。
定例会
地方公共団体の議会の会議の種類のひとつ。定例会は付議事件の有無にかかわらず、定例的に、毎年条例で定める回数招集する。
龍ケ崎市では年4回と定め、毎年3月、6月、9月、12月に開会している。一方で、臨時会は必要がある場合において、特定の事件に限って招集する。
補正予算
予算の調製後に生じた事由に基づき、既定の予算に追加その他の変更を加える必要が生じたときに調製する予算。
地方自治法第179条
普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第113条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。
ただし、第162条の規定による副知事又は副市町村長の選任の同意及び第252条の20の2第4項の規定による第252条の19第1項に規定する指定都市の総合区長の選任の同意については、この限りでない。
2 議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。
3 前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。
4 前項の場合において、条例の制定若しくは改廃又は予算に関する処置について承認を求める議案が否決されたときは、普通地方公共団体の長は、速やかに、当該処置に関して必要と認める措置を講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければならない。