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気象情報を活用して台風に備えよう

更新日:2018年3月1日

台風は直径が数百kmほどの大きな大気の渦です。
強い渦巻きの中では気圧が非常に低くなるので、周りから風が激しく吹きこんできて上昇します。
強い上昇気流は水蒸気を急速に雨粒に変えて強い雨を降らせます。台風のエネルギー源は熱帯・亜熱帯域の海水に貯えられた大量の太陽熱です。
この熱は海水蒸発による水蒸気によって大気中に運ばれ、それが雨粒に変わるときに再び熱となって放出されます。
この放出熱は大気を暖めて上昇気流を激しくし、渦をさらに成長させ強い台風をつくります。
赤道付近では海水温は高いものの、大気の渦をつくる力(地球の自転によって生ずる力)が弱いので、台風は発生しません。
ほぼ緯度5~20度の太平洋西部海域(主としてフィリピン東方海域)が台風の主要発生域です。
ここは太平洋高気圧の南側にあたり、貿易風とも呼ばれる優勢な東風が常に吹いています。
太平洋高気圧からの風は、そのへりをほぼ等圧線に沿う時計回りの風となって吹き出します。
台風はこれらの風によって流され、西へ張り出した夏の太平洋高気圧のヘリを回り込むようにして北西に向かい、北緯25度付近(ほぼ沖縄の緯度)にある亜熱帯高圧帯の気圧の尾根を速度を落としながら越えると、上空の偏西風に乗って方向を大きく変え速度を増して北東に向かう、というのが本土来襲の典型的なコースです(図17)。
これは暖かい黒潮の流れに沿っているので、台風は勢力を維持・拡大させながら高緯度にまで北上します。
このようにして台風の経路は、太平洋高気圧の位置・勢力や上空を吹く偏西風の位置・風向などによって決められます。

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太平洋高気圧の北西への張り出しが大きいと台風は大回りのコースをとり、対馬海峡を抜けあるいは朝鮮半島を越えて、日本海に進みます(図18A)。
高気圧の張り出しが小さいと列島縦断、南岸沿い、伊豆半島・房総沖通過などのコースをとって関東に来襲します。
太平洋高気圧が東方海上に壁のようになって北に伸びていると、南方から直進してきて関東を直撃します(図18B)。
1981年台風15号はこのような気圧配置下で、房総南端に上陸し龍ヶ崎付近を通って北進し、小貝川を大氾濫させました.本土付近に前線があると、そこは気圧が低いことおよび気団の境目で上空に偏西風の軸があることにより、台風は前線に引き寄せられるように進行します。
高気圧が東へ移動しているとその後を追うようにして進みます。
このようなことに基づいて、新聞の天気図などから台風が関東に来るかどうかを予想してみるとよいでしょう。

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台風の風は中心に向け反時計回り(左巻き)に吹き込みます。
地球の自転による力や遠心力などが加わるので、台風の中心に向かって真っ直ぐにではなく、斜めの方向に吹き込むのです。
このため台風の雲は左巻きの螺旋状です。
強い偏西風の流れに乗ると、移動速度は秒速20m(時速72km)以上にも達します。
台風進行の右側(通常北に進行するので東側)では風は進行方向に吹くので、移動速度がこれに加算されて風はより強くなります(図19)。
このため進行右側は危険半円とよばれています。
一般に、中心から50~100kmほど離れたところで風が最も強く吹き、雨もまた強くなります(図20).雨は台風の中心近くだけでなく、外側に螺旋状につらなるレインバンドのところでも、断続的に強く降ります。
図20に示した2005年台風11号は龍ヶ崎のすぐ南方を通過したのですが、龍ヶ崎での雨風共に弱く、強雨域は中心から60kmほど離れたところに出現しています。
進行前面および右側面の螺旋状のレインバンドも明瞭です。
このように、台風が埼玉・群馬など西~北西側を通る場合には危険半円に入り、神奈川・千葉など南側を通る場合に比べ風がより強くなる恐れがあるので、警戒を強めねばなりません。

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