政治活動における文書図画の規制
政治活動のために使用される文書図画の掲示や頒布には、公職選挙法その他の法令によりさまざまな規制があります。
ルールを正しく理解し、違反のない適正な政治活動を行いましょう。
基本的な考え方
公職選挙法では、選挙の公正を確保し、候補者間の不当な不均衡が生じるのを防ぐため、公職の候補者等(候補者、候補者になろうとする者、現職者)の氏名や氏名が類推されるような事項(顔写真やイラスト等)、さらには後援団体の名称などを表示する文書図画を、政治活動のために掲示することを原則として禁止・制限しています。
なお、公職選挙法でいう「文書図画(ぶんしょとが)」とは、一般的な立札や看板、ポスターにとどまらず、「のぼり」「旗」「プラカード」「たすき」「腕章」「ジャンパー」「ちょうちん」なども含まれ、同様に規制の対象となります。
これらは、特定の時期や方法を除いて街頭や屋外に自由に掲示することはできません。
ただし、法令で定められた一定の要件(政治活動用事務所としての掲示、政治活動用ポスターの要件を満たしたものなど)を満たす場合に限り、例外的に掲示が認められています。
具体的な掲示ルールや例外規定については、以下の項目をご確認ください。
文書図画の掲示に関する規制
(1)政治活動用事務所における立札・看板の規制
政治活動のために使用する事務所には、一定の制限のもとで立札や看板を掲示することができます。
(関係条文:公職選挙法第143条第16項から第19項)
| 場所 | 事務所としての実態のない場所(交差点や駐車場、田畑等)には掲示できません。 |
|---|---|
| 枚数 | 候補者等用:合計6枚以内(選挙区内) |
| 規格 | 縦150cm×横40cm以内(横置きの場合は逆に読み替えてください) |
| 記載事項 | 政治活動用事務所の所在地、名称、管理者の氏名などが明記されている必要があります。 |
(2)政治活動用ポスターの規制
政治活動用ポスターの掲示には、「候補者等個人のもの」と「政党等のもの」でルールが異なります。それぞれの要件を遵守してください。
(関係条文:公職選挙法第129条、第143条第16項、第18項から第19項)
候補者等個人のポスター
| 掲示してはいけない期間 | 任期満了による選挙の場合は、任期満了日の6か月前から選挙期日まで。任期満了以外の選挙については、選挙事由発生の公示(告示)日の翌日から選挙期日まで掲示できません。また、この期間中は既存のポスターも撤去する必要があります。 |
|---|---|
| 記載すべき内容 | 掲示責任者および印刷者の氏名(法人の場合は名称)・住所を必ず明記しなければなりません。 |
| 仕様の制限 | ベニヤ板やプラスチック板などに貼り付ける、裏打ちの加工を行うことは原則として禁止されています。 |
| 禁止される表現 | 「〇〇に一票を!」など、特定の候補者の当選を目的とした投票依頼や選挙運動にあたる表現は記載できません(あくまで政策や実績の紹介など、通常の政治活動の範囲内に限られます)。 |
| 設置場所に関する注意 | 他人の敷地や建物、ブロック塀、電柱などにポスターを貼る場合は、必ず事前に所有者や管理者の許可を得る必要があります。 |
政党等のポスター
※記載すべき内容、仕様の制限については個人用ポスターと同様です。
| 掲示制限と留意事項 | 政党等のポスターについては、選挙運動期間外における掲示制限は特に設けられていません。 ただし、政党のポスターであっても、特定の候補者や候補者になろうとする者を過度に目立たせている場合(氏名や写真が極端に大きいなど)は、実質的に「候補者個人の政治活動用ポスター」とみなされ、規制を受ける場合があります。 |
|---|---|
| 立候補時の取り扱い | 政党等のポスターであっても、そこに氏名や氏名類推事項を記載された人(候補者等)が立候補の届け出をした場合、当該選挙の公示(告示)日の翌日から選挙期日までは、そのポスターを掲示しておくことはできません。 |
政治活動のための集会で掲示される文書図画
政治活動の一環として街頭や駅前において街頭演説やあいさつ行為を行う場合、公職の候補者等の氏名や氏名類推事項、後援団体の名称を表示したプラカード、立札、看板、ちょうちん、のぼりなどを掲示することはできません。
(関係条文:公職選挙法第143条第16項、第146条)
掲示の例外
政治活動に関する講演会、研究会、その他の集会の会場において、その開催期間中に限り掲示される看板やポスターなどは、通常の立札・看板の制限枚数・サイズの例外として取り扱われます。
※あくまで「選挙運動にわたらない限り」において認められるものであり、集会の名目であっても実質的な選挙運動にあたるような文書図画の掲示は認められません。また、集会終了後も常設することはできません。
(根拠法令:公職選挙法第143条第1項第4号)
誤った掲示例
例1:無断掲示
電柱や個人の所有地に、管理者や所有者の承諾を得ず勝手にポスターや看板を設置した。
例2:仕様違反(ポスターの裏打ち)
ポスターが雨風で傷まないようにベニヤ板に貼り付けて電柱や柵に設置した。
例3:記載事項の不備・表現違反
ポスターに掲示責任者・印刷者の住所氏名が入っていない、あるいは「清き1票を」といった投票を呼びかける文言が入っていた。
例4:枚数オーバー(立札・看板)
自宅や事務所、後援会事務所などにそれぞれ看板を設置した結果、候補者用と後援団体用の看板が合計で13枚以上になっていた。
例5:公示(告示)日以降のポスター未撤去
氏名が記載された政党ポスターや個人ポスターを、選挙の公示(告示)日を過ぎてもそのまま掲示し続けていた。
例6:街頭や自転車でののぼり旗・ジャンパー・たすき等の使用
駅頭での街頭演説やあいさつ行為の際に、候補者の名前が入った「のぼり旗」を手持ちしたり、「たすき」「腕章」「名前入りジャンパー」を着用したり、名前入りの看板やのぼり旗を自転車に取り付けて移動・掲示したりした。

