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地球温暖化は台風を強くし豪雨を激しくする

更新日:2018年3月1日

大気中の二酸化炭素、メタン、フロンなどは、太陽光線は通すが地表から放出される赤外線(熱線)を吸収して地球外へ熱を逃がさない、という温室効果を持っています。
人間活動は石油や石炭を燃やすことなどによって大気中の二酸化炭素を増やしており、産業革命以降その増加は加速的になっています(図50)。
おそらくこれが主因となって地球気温は上昇しており、20世紀に入ってから全地球の平均気温はおよそ0.6℃上昇しました。
温暖化がさらに進むと、2100年には1990年に比べ平均気温が1.8~5.8℃上昇すると予測されています(国連が組織したグループIPCCの報告)。
二酸化炭素排出シナリオによって予測値にはこのような大きな幅があります。気温上昇は大陸で大きく、また、北半球の高緯度でより大きいとされています。

図50CO2変化.jpg

この地球温暖化は、気象の変動幅を大きくする、異常気象を増加させその発生地域を変える、海面を上昇させる、気候帯・植生帯を移動させるなどによって、自然災害を激しくすると予想されます。
まず、地球気温上昇およびそれに伴う海面水温上昇は、大気中の水蒸気量を多くし、対流活動を活発にし、熱帯低気圧の発達を促して、豪雨の強度と頻度を大きくします。
現在すでに豪雨の発生回数はかなり多くなってきています(図51)。
21世紀中の気温上昇が3℃という予測シナリオの場合、日本の夏季における豪雨日数は、21世紀半ばには現在の2倍に、世紀末には3倍になると予測されています(図52)。これは洪水災害および土砂災害を激しくします。

図51豪雨回数.jpg

図52豪雨予測.jpg

台風は、発生数は多くはならないものの、中心気圧はより低くなって風速と雨量が増大すると予想されます。
温暖化は気候帯を高緯度に移動させるので、夏の太平洋高気圧は北に張り出して台風のコースを変えます.このため強い台風が来襲する地域が変化します。
ときには日本列島から全くそれ恵みの雨が降らなくて、干ばつになることもあります。水不足は天然のダムとなる山地積雪の減少によっても引き起こされます。


気象変化の地域ごと年ごとの違いは大きくなります。
平年なみの雨の降り方をすることは少なくなり、極端に少なかったり、集中豪雨となったり、長雨になったりすることが増えます。
これまで雨が少なかったところで豪雨が増えると、水害の規模はより大きくなります。
大陸では気温上昇は大きく、乾燥化・砂漠化が進み、水資源不足が深刻になると予想されます。


地球気温の上昇は、海水を膨張させ大陸氷床や山岳氷河を融かして、海面を上昇させます。
21世紀末までの上昇量は、主として海水膨張により0.3~1mと予測されています。
南極には全部融けると海面を65m上昇させる大量の氷がありますが、南極大陸はあまりにも低温なので、これの融解による海面上昇はさしあたりないと考えられます。


この海面上昇は海岸低地の標高を低くし防潮施設の機能を低下させて、高潮の危険を大きくします。
海面が1m上昇すると、平均満潮位以下の土地は現在の850平方kmから2350平方kmへと増加します。
岩石海岸(磯浜)では海岸侵食が激しくなります。
21世紀中の海面上昇が2mになるという予測もありますが、その場合には霞ヶ浦の拡大により龍ケ崎市が湖畔に位置するようになるでしょう(図53)。

図53海面上昇.jpg

平均気温が1℃上昇すると等温線は約150km北上し、これに伴って植生の生育適地も移動します。
21世紀末までに平均気温が3℃上昇するとした場合、森林たとえば落葉広葉樹林(ブナが代表種)の生育に適した温度条件の南限は、年4kmほどの速度で北上することになります。
一方、種子を飛ばすなどして樹木が移動していく速度は年数百m以内なので、気候変化に追随できず森林荒廃が生じます。
これにより山地の雨水貯留能力が低下して洪水流量が増大し、侵食や崩壊による土砂流出が多くなります。気温上昇はまた、森林火災を起きやすくします。


現在の地球平均気温はおよそ15℃ですが、もし温室効果が全くなかったとしたら平均気温はマイナス18℃になると計算され、水はほとんど凍りついてしまいます。
したがって人間などの生物が現在の状態で生存できるのは、二酸化炭素など温室効果ガスがあるお蔭なのです。
しかし、生物はその時々の気候条件に適合した状態で存在しているので、その変化は様々な障害をもたらし、それが急速であれば人間にとっては災害と受けとめられることになります。

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